――日本経営士会 埼玉県支部主宰の BMC研究会では「NPO法人鴻巣市コウノトリを育成する会」の活動を支援している。GS法人ではこれを更なる地域発展に結びつけたいと考え、1ランク視点を高くした 観光事業とのリンクを提案している。今回は更に、国連及び我が国政府が現在最も重視している、SDGsの考え方を取り入れ、地方活性化の効果に結び付けたい。―――

 

1. SDGs「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」(エス・ディー・ジーズと発音)について

① SDGsは 2015年9月の国連サミットで採択されたアジェンダである。国連加盟193か国が 2016年~2030年の15年間で達成するために掲げた目標である。17の大きな目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲット およびその詳細版である 230の指標で構成されている。 

 

② 世界におけるSDGsと 達成状況

SDGsの強みは、この数値目標を定期的にモニタリングしていくことにある。具体的にはSDGs達成に向けての進捗状況を各国が自分たちで報告を行う。そのレビューが毎年7月頃に行われている。

 

日本における SDGs

日本では2016年5月20日、安倍総理が本部長すべての国務大臣がメンバーの体制ができた。 第1回「持続可能な開発目標(SDGs)推進本部会合」が開催された。

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https://imacocollabo.or.jp/about-sdgs/ より引用。

 

持続可能な開発目標(SDGs)の 実施指針が決定された。日本では従来から、持続可能な経済・社会づくりのため、優れた実績を積み重ねてきている。今回決定した指針では、経済、社会、環境の分野における 8つの優先課題と 140の施策を盛り込んだ。今後は持続可能な世界に向けて、国内実施と国際協力の両面で国際社会をリードして行く。

 

先ず2018年までに総額約30億ドル以上の取組を行う。国連で我が国の取組の報告も行う。関係閣僚も本実施指針の下、緊密に連携し、政府一丸で取り組んでゆく。

日本はSDGs関連に9億ドルの支援、30億ドルの取り組み、日本円にして合計約4000億円を投資する。多くのものがこれまで取り組んでいたものを改めて SDGsの枠組みで表現しなおしてもいる。これらは日本のSDGsに対する姿勢を表しているものだ。

 

 SDGsの 17の目標

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2. SDGs 169のターゲットの 1サンプル事例

サンプルとして「8.働きがいも経済成長も」のターゲットから、更に1事例を抜粋する。

8.3 生産活動や適切な雇用創出、起業、創造性、およびイノベーションを支援する開発重視型の政策を促進するとともに、金融サービスへのアクセス改善などを通じて 中小零細企業の設立や成長を奨励する。

8.9 2030年までに、雇用創出、地元の文化・産品の販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策を立案し実施する。

 

3.  我が国の「SDGs未来都市」

SDGs実現に向けて積極的に活動する自治体を「SDGs未来都市」として政府が選定している。

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  出典:内閣府 SDGs未来都市及び自治体SDGsモデル事業の選定について

 埼玉県及び埼玉県内の市町村は、選定されていない。

 

4. SDGsを活用した、観光事業戦略

 ① 我が国の観光事業戦略は、SDGsをベースに構築されている。「SDGsアクションプラン2019」の骨子の1つに、「SDGsを原動力とした地方創生強靭かつ環境にやさしい魅力的なまちづくり」がある。地方創生をSDGsを使って実現しようとする流れです。昨年発表された SDGs未来都市はその1つの象徴的な動きです。29の都市が選ばれ、10都市には合計3億円以上の予算を付けて推進しています。

 

 ② 「観光ビジョン実現プログラム2018」が平成30 年6月の 観光立国推進閣僚会議で発表されている。

世界が訪れたくなる日本を目指して- という目標の「観光ビジョンの実現 に向けたアクション・プログラム2018」である。

方針として、下記が謳われている。https://www.mlit.go.jp/common/001238097.pdf より

 

視点1.観光資源の魅力を極め、「地方創生」の礎に

・魅力ある公的施設・インフラの大胆な公開・開放・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2

文化財の観光資源としての開花・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6

・国立公園の「ナショナルパーク」としてのブランド化・・・・・・・・・・・・・・・・10

・景観の優れた観光資産の保全・活用による観光地の魅力向上・・・・・・・・・・・・・12

滞在型農山漁村の確立・形成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14

・古民家等の歴史的資源を活用した観光まちづくりの推進・・・・・・・・・・・・・・・16

・新たな観光資源の開拓・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20

地方の商店街等における観光需要の獲得・伝統工芸品等の消費拡大・・・・・・・・・・23

・広域観光周遊ルートの世界水準への改善・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25

・「観光立国ショーケース」の形成の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27

・東北の観光復興・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28

 

視点2.観光産業を革新し、国際競争力を高め、我が国の基幹産業に

・観光関係の規制・制度の総合的な見直し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30

・民泊サービスへの対応・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32

・産業界ニーズを踏まえた観光経営人材の育成・強化・・・・・・・・・・・・・・・・・33

宿泊施設不足の早急な解消 及び 多様なニーズに合わせた宿泊施設の提供・・・・・・・・35

世界水準のDMO の形成・育成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37

・「観光地再生・活性化ファンド」の継続的な展開・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39

・次世代の観光立国実現のための 財源の活用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40

訪日プロモーションの戦略的高度化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・41

・インバウンド観光促進のための多様な魅力の対外発信強化・・・・・・・・・・・・・・45

・MICE 誘致の促進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50

・IR に係る法制上の措置の検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・53

・ビザの戦略的緩和・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・54

訪日教育旅行の活性化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・55

・観光教育の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・57

・若者のアウトバウンド活性化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・58

 

視点3.すべての旅行者が、ストレスなく快適に観光を満喫できる環境

・最先端技術を活用した革新的な出入国審査等の実現・・・・・・・・・・・・・・・・・59

民間のまちづくり活動 等による「観光・まち一体再生」の推進・・・・・・・・・・・・62

・キャッシュレス環境の飛躍的改善(海外発行カード対応ATM の設置促進を含む)・・・・64

・通信環境の飛躍的向上と誰もが一人歩きできる環境の実現・・・・・・・・・・ ・・・ 66

・多言語対応による情報発信・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・70

・急患等にも十分対応できる外国人患者受入体制の充実・・・・・・・・・・・・・・・・71

・「世界一安全な国、日本」の良好な治安等を体感できる環境整備・・・・・・・・・・・ 72

・「地方創生回廊」の完備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 75

・地方空港のゲートウェイ機能強化とLCC 就航促進・・・・・・・・・・・・・・・・・79

・クルーズ船受入の更なる拡充・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・82

・公共交通利用環境の革新・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・84

・休暇改革・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・87

・オリパラに向けたユニバーサルデザインの推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・89

 

5. 埼玉県内の観光事業構想例との関連

 ① 以前提案した、現在も活動が続いている、鴻巣市および近郊都市の観光化戦略を、SDGsの流れとリンクさせたい。

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http://gs-ipanshadan.jp/650 

 ② 観光事業をメインテーマとし、コウノトリ育成事業は、その1つのサブテーマと考えたい。

 

 ③ GS法人だけでなく、様々な関連団体と連携したプロジェクト を目指したい。

        日本経営士会

    NPO法人鴻巣市鴻巣市コウノトリを育成する会

    鴻巣市 (行田市)

  JA

  埼玉縣

   その他

                                                                                 以上