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休耕田での「ドジョウ養殖新技術」の確立と、経済性・事業性 の実現                 20-10-11 (一社)技術士さいたま 中村憲雄

休耕田での「ドジョウ養殖新技術」の確立と、経済性・事業性 の実現                 20-10-11 (一社)技術士さいたま 中村憲雄 published on

  任意団体「埼玉県の環境改善と 地域活性化を推進する会(SKC会)」の挑戦

     (技術者集団 一般社団法人「技術士さいたま(GS法人)」の非収益事業プロジェクト

Ⅰ. 背景

1. 農業従事者の高齢化や、農業に対する魅力・希望の低下などにより、休耕田の増加、水田面積の減少が、全国的な傾向となっている。農家が元気を失い、水辺環境の悪化にもつながっている。

2. 鴻巣市では、市民の悲願であった「コウノトリが飛来する街」を目指し、人工飼育場・「コウノトリの里づくり」工事を開始した。

3. しかしコウノトリの主食でもあるドジョウは、休耕田の増加などとともに減少し、近年では絶滅危惧種にも指定されている。

4. 以上の背景の中で、私たち技術者団体ではプロジェクトを組み、休耕田でのドジョウ養殖の「新技術を開発」している。更にドジョウ養殖事業として、「米作りにも勝る経済性」の向上を狙っている。

5. 2020年4月よりT助成金(非収益事業)で、北鴻巣で2反歩の休耕田を借り受け、研究・開発を行ってきた。結果として「基礎技術」の見通しが立ってきた。2021年度も更に継続する予定である。

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6. 本事業が完成できれば、休耕田は復活し、T助成金の目的である「豊かな水辺環境の改善・拡大」も実現する。更には、休耕田所有農家も元気を取り戻し、経済が回れば、地域の中小事業者の活性化も期待できるようになる。技術開発だけでなく、経済が活性化する仕組みに、是非つなげて行きたい。

 

Ⅱ. 実施経過と今後の方向性

1. 2020年10月時点での実験結果では、休耕田における基本的なドジョウ養殖の新技術が見えてきた。

従来にない、安価で効果的な設備を使う技術と考えている。

2. 来年2021年度はこの延長で、安価で味の良い高品質な養殖ドジョウの、大量生産の可能性を更に追究したい。長さ30㎝×太さ3㎝級の高品質・巨大ドジョウを、短期間での育成を狙っている。休耕田での稚魚・幼魚の採取と、成魚への育成の過程の中で、工場式育成管理技術の導入を検討して行きたい。DX技術との融合も視野に入れたい。SDGSや6次産業化など、国の施策への参加も重要と考えている。新たな補助金取得も狙いたい。

3. 安価で高品質なドジョウを大量にさばくためには、結果が出る販売戦略が必要になる。ドジョウを美味しくする新技術導入や、ドジョウ料理レシピ開発者、販売専門家など、多くの専門家や専門企業の参画が不可欠である。現在準備中である。

4. 大量販売のためには、大勢の顧客の関心を集める必要がある。ドジョウだけでなく沢山の地元名物商品も開発し、併せて共創で販売するのが効果的である。地元料理店や商店との接触も重要と考えている。自治体など公的機関との協力も不可欠である。現在接触中である。

5. コロナ後は、世界的な食糧危機が囁かれている。休耕田でのドジョウ養殖技術は、その他の淡水魚養殖にも応用が可能である。我が国の食糧自給率の改善にもつながってくる。大変有意義な取り組みと考えている。

6. ドジョウの放流によりコウノトリが飛来するようになれば、見物に訪れる人も増えてくる。コウノトリだけでなく、様々な観光資源を、近隣も含めて「共同で連携・管理」することが効果的と考えている。新たな観光戦略を、「関係者、関係機関と協力」して取り組みたい。事業成功のキーになると考えている。地域ごと、観光地ごとの独立した考え方もあるが、総合的な効果を上げて行くことも大切である。

7. 群馬県の川場田園プラザは、地元の農産物を売るだけでなく、非日常を演出したリゾート型の道の駅である。沢山のグルメレストラン、陶芸や木工が楽しめる工房、1日中過ごせるリゾート施設、さらに温泉付きの宿泊施設もそろえている。毎年180万人が訪れるが、年間3回以上のヘビーリピーターも6割を占めている。6ヘクタールの敷地を有し、中央には水鳥が遊ぶ大きな池もある。

8. 北鴻巣に予定されている道の駅も、この例も参考にして再度見直しができれば有難い。できるだけ大勢の顧客を集める。人が集まれば元気の出る事業も多い。ドジョウ料理だけでなく、様々な地元名物商品の開発ができれば、相乗効果で高効率な大量販売効果も期待できる。地域活性化のキーにもなる。無農薬の米粉を使った、特色のあるバームクーヘンなども候補に挙げたい。

9. 中央には大きな池を作り、コウノトリを放鳥できれば良い。養殖ドジョウは、コウノトリの餌以外にも、食通を唸らせるほどの美味しいドジョウ料理を開発したい。ウナギ1匹ドジョウ1匹と古来から言われてきたほどの、栄養価の高い健康食品である。安価で高品質な、素材の大量生産が是非必要になる。美味しいドジョウの蒲焼が完成すれば、缶詰にして全国販売する道も検討したい。

10. 近隣の、例えば行田市には、忍城、古墳、古代ハスなど良い観光資源がある。近隣地区と統一的に連携した観光戦略を組み、相互に補完しあって、インバウンドも含め大勢の観光客を呼び寄せられれば、モノが売れ、地域が経済的に潤うことにもなる。収益計画・事業計画が必要になる。

11. 結果的にドジョウも売れ休耕田の活用が促される。農家も元気を取り戻し、地域活性化につながる。T助成金の目的である環境改善も経済効果との相乗効果があれば、更に継続・拡大につながってくる。

12. 鴻巣市での成功モデルがある程度完成すれば、これをお手本として、県内全域あるいは県外・全国にも広がる可能性がある。次ステップのステージも事前に構想しておきたい。コウノトリの舞う彩の国観光リング計画なども検討中である。休耕田でのドジョウ養殖の新技術開発をきっかけとして、地域が元気を取り戻し、みんながハッピーになるチャンスと捉えて行ければ、大変有難い。

13. 東京下町の有名ドジョウ料理店を先日訪問した。ドジョウの他にも新鮮な刺身なども揃えた、小料理屋風の小さな居酒屋であった。刺身は新鮮で美味しく、ドジョウ以外にも沢山の魅力的な料理があり、週日にもかかわらず大変混み合っていた。日本酒、焼酎など、アルコール類の種類も豊富で美味しかった。

14. ドジョウ料理については、蒲焼と唐揚げを注文した。一緒に行った仲間とは評価が分かれた。私の印象では、味は良いがインパクトが不足と感じられた。ウナギのかば焼きには、かなり負けている。料理人の腕は良くても、素材の問題が大きいのではないかと思われた。脂の乗った美味しい素材の開発が是非必要である。当たり前である。美味しくなければ食品は売れない。乗り越えなければならない、今後の大きな課題でもある。

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15. ドジョウ養殖の経験がある水産会社社長によると、直径3㎝ほどに育った養殖ドジョウは、天然物や輸入物に比べ、大変美味しい。特に蒲焼は、ウナギよりも美味しかったとのこと。この言葉を信じ、何とか実現したい。ウナギ1匹ドジョウ1匹と言われる栄養価が高い健康食品を、必ず普及させたい

以上

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