
2025年度(令和7年度)一般社団法人 技術士さいたま(通称GS法人)の活動方針は、既に令和6年6月17日の定時総会で承認されております。
2025年・令和7年の年頭に当たり、再確認・再認識したいと考え、HP掲載用に見直しも入れました。
2025年度(令和7年度)の活動方針
1. 2025年(令和7年)は、
「平成37年、昭和100年」にも相当します。覚えておくと便利ですね。
2012年(平成24年)3月26日に、GS法人を設立しました。
本年度は丸13年を迎えます。14年目(第15期)が、4/1より始まります。
今までの活動実績を生かし、更なる発展を期したいと思います。皆の頑張りで、希望ある、楽しい、有意義な年にしたいですね。高齢化もありますが、「生涯現役」を合言葉にしたい。
2. 本年度の活動目標
理研(国立研究開発法人理化学研究所)との協力・連携をベースにしたい。技術屋集団ですから、「技術立国」復活を狙いたい。技術の「継続的」発展の「仕組みづくり」が目標です。
企業現場での3現主義活動が必要です。現場・現物・現実で、手を汚し、専門家と企業従業員とが一緒になり、議論・研究すること。専門家の知識的な披露・講演だけでは不足です。
企業の発展に貢献し、結果に繋げること。販売や管理を同時にレベルアップし、売上や利益の向上に繋げること。儲けなければ、企業の存在価値が薄れます。関係者や愛する人を、誰も守れません。
「プロジェクト活動」が中心となります。チーム活動です。個人活動もあっても良いですが。プロジェクトチームと、それを側面から支える、プロジェクトマネージメント機能(組織)の存在が、大変大変重要になります。
3. 活動の動機(原点)
① 1990年初頭のバブル崩壊直前は、日本は技術立国として、世界の中で指導的立場にありました。エネルギーに満ちあふれ、自信があり、皆輝いておりました。
② 失われた30年が、その後始まりました。現在は元気を失い、自信も無くなり、世界でただ一国のみ、一人負け状態が、いまだに続いております。誰もさほど気にしていないように見えますが。
③ 私たちの世代のみならず、次の時代を含め、もう一度現状を良く見たい。良く考えたい。自分たちの力は小さくても、何かできることは、本当に無いのか。
④ 日本の経済力の推移データ (名目GDPでの比較) 確認と考察。
(IMFデータ:24-10-28 https://ecodb.net/ranking/imf_ngdpd.html )参照
表1 主要6か国の名目GDP推移 1990~2023年(33年間)

表2 主要6か国 名目GDP推移データ 単位:百万US$ 表1の裏データです。

表1,表2 の分析
a. 日本の経済力は、バブル崩壊直前の1990年は、アメリカの53%、世界経済の13%、ドイツの1.96倍、中国の7.9倍であり、輝いていた。(集中豪雨的輸出で、相手国経済を脅かしてはいたが。)
b. その後様々な要因により、日本経済の成長力は衰え、2000年以降は日本一国だけ、世界経済の成長・発展から置き去りになり、中国に抜かれ、最近時はドイツにも抜かれ、落ちこぼれ状態に陥った。
c. 2023年時には、2000年比で0.85倍。アメリカの15%、世界経済の4.0%、ドイツの93%、中国の24%に下がった。まもなくインド、イギリスにも抜かれようとしている。ジリ貧が続いている。
d. 昨年比で何%、上がった下がったではありません。絶対値での数字で判断することが重要です。
その他の参考資料
e. 日本の名目GDP(内閣府発表): 2023年度 595.2兆円 2024年 610.2兆円(見通し)
f. 日本の税収(財務省発表): 2023年度 72兆761億円 (内 消費税は23兆923億円)
g. 日本の国債残高(財務省発表)2024年12月末:1317兆6365億円 (1063万円/国民1人):
h. 日本国債保有者別の内訳 日本人 94% 海外 6% (円建て・これが需要)
i. 日本の海外純資産残高 (財務省発表2022年分): +418.6兆円の黒字 (世界トップの金貸し)
参考; アメリカは、-2138兆円の赤字 (世界最下位の借金大国。でも世界トップの経済大国)
⑤ 考察
イ. 昔はヨーロッパの病人・イギリス病と揶揄されていたイギリスでさえ、名目GDPは2000年比で2.0倍に成長している。現在のヨーロッパの病人と言われるドイツは、2.3倍である。仮にイギリス同様2倍に成長していれば、日本の2023年度の名目GDPは1200兆円以上になっていた筈である。夢か?
ロ. 税収はGDPに比例すると言われている。仮に2倍であれば、146兆円以上に自然増収していた。消費税をどうする、社会保障費をどうするなどの課題は、十分クリアできた筈である。失われた30年を、本気で対策する時期と考える。みんな、目を向けよう。考えよう。目を覚まそう。
ハ. 日本国債は、日本人が94%保有している。更に、「円建て」である。すなわち1317兆6365億円の大部分は、日本人が国に預けたお金である。国民1人当たりの1063万円は、いわば国民の資産である。国民が、銀行より安全な「国」に預けたお金(円)である。国としては借金には違いはないが。
ニ. 日本の国債は、日本の経済発展に運用すべき性質のものである。銀行も大衆からの預金(借金)を上手に運用し、利益を上げている。企業も株式や社債、融資金など借金を上手に運用し、利益を上げて生き残っている。これらは広い意味の「経営」である。国や自治体も「経営」が必要である。一般家計は利益を生む経営は無いため、収入の範囲内でやりくりする必要がある。国や自治体は一般家計とは違い、「経営」が必要なのである。将来のためにお金を運用する。人や体制や仕組みを作る。
ホ. 日本の海外純資産残高は、+418.6兆円の黒字(世界トップ)である。ちなみにアメリカは-2138兆円の赤字(世界最下位)である。
日本企業や日本政府は、儲けたお金を海外に投融資している。海外の発展に寄与している。自社や日本の経済的発展のためにお金を使っていない。日本の発展のために、ぜひ使うようにしたい。
ヘ. アメリカや中国は世界中からお金を集め、自国の発展に活用している。既にアメリカファーストである。今後更に進みそうに見える。日本を、再度の発展軌道に乗せるためには「戦略」が必要である。今までは「考え方や認識」が不足に見える。日本人は、上図グラフの、客観的認識が不足に見える。
昨年比で何%上がった、下がったと一喜一憂するのではない。絶対値で、現状の日本、将来の日本を判断すべき時である。内、外をよく見て、現状を良く認識しよう。そして考えよう。どうする?
ト. おカネだけが幸せの指標ではありません。しかし無ければ困ります。貧困幼稚園生・小学生・中学生・高校生は可哀想です。結婚もできず家庭も子供も作れません。GDP、右肩上がりに是非したいですね。
4. 今後のGS法人の活動ポイント
① 法人としての団体・組織力は強みである。組織をつぶすのは簡単である。しかし勿体ない。十二分に活用したい。個人での活動では制限がある。理研のほかに、日本技術士会埼玉県支部、川越技術士会なども繋がっている。それらを通じ川越商工会議所、東洋大学など様々な団体や専門家などとの連携・協力体制も既に存在している。良い仕組みは、それらとの上手な協力から考えて行きたい。
最近時は、秩父地域の沢山の企業や秩父市役所などへの「技術体質強化」を主眼に置いた支援も行っている。企業の発展、社会の発展への貢献と考えられる。楽しく、面白く、有意義に活動したい。だんだんと高齢者が多くなってはきたが、積み上げた実績を十二分に活用すべき好機と考えたい。
② 基本は収益を得る事業活動が中心である。無償営業活動やボランティアも良いが。自分たちが儲けられなくて、企業の儲けに支援は難しい。
③ 助成金・補助金・出資金・融資など、活動資金を広く求める。活発な活動にはおカネが要る。技術者でも、おカネにもっと目を向けよう。おカネにはきれい汚いはない。純粋な活動エネルギーである。エネルギーを集め、上手に運用し、広く大きく循環させてゆきたい。
おカネ、もっとよく見て、もっと好きになっても良いかも。純粋エネルギーとして。
5. 13年間の主な活動事例
① スターリングエンジンの商品開発

② ドローンのプロペラ開発

③ 熱交換器を活用した廃熱回収回路の設計
④ 休耕田でのドジョウ・ナマズの養殖

⑤ DX・IOT活用と企業体質向上 等々
6. 企業体質・生産体質改善ツール など
① マンダラチャートも1つの方向性を考えるツールである。
表3 事例 2024年(令和6年)度 (一社)技術士さいたま (通称 GS法人) の目標達成シート (マンダラチャート風簡略版)

② 専門家が積み上げてきた、各種ツール
a. 表4 QCDチェックリストによる生産体質改善(生産現場の強化は、良いものを、安く、早く作る) : プレス加工現場例

b. 表5 SED連携による新商品開発プロセス (シーズ開発から事業化成功までの仕組み) 関連部署が当初から協力

c. 表6 CAP-D(キャップドゥ) で回す改善サークル : デミングサークルの変形:PDCA→CAPD)

d. 表7 段取り交換作業の スピードアップ改善事例 (事例:プレス金型の交換時間の削減)

7. 理研との協力・連携の現状事例
① 理研は国の研究機関であり、大企業のみならず中小企業の技術発展に貢献したいと考えている
② 現在秩父地域で、地元との共同プロジェクト活動を3件実施している。いずれも秩父市長の熱い思いを受けたものである。市長の熱い思いが、地域発展のベースである。これに皆が触発された。
a. 秩父理研先端技術(CRAT)推進プロジェクト
b. 水素活用プロジェクト
c. ドローン活用プロジェクト
③ 上記8.②a.のCRATプロジェクトの活動事例
a. GS法人代表理事の中村は、現在も参加し活動を継続中である。秩父地域15社の中小企業が参画し、理研など研究機関の技術シーズを活用し、技術体質の向上を狙うものである。大企業では高度な技術を支えるスタッフが豊富である。中小企業ではそれを補完する役割でもある。
b. 理研と企業との間に立ち、高度技術の翻訳や仲介を行うために、技術士4人と中小企業診断士2名が活動している。技術者はそれぞれの保有している専門技術がある。しかし企業技術や、理研等の高度技術にぴったりハマるケースは、ほとんど無い。しかし技術の世界では、なんとなく土地勘があり、それを頼りに自分なりに調査し、解釈し、解きほぐすのである。文系専門家では難しいかも知れない。
c. 企業の技術体質向上に、いかにお役に立てるか、汗をかいている。上記6.の企業体質・生産体質向上のツールも、1部現場で活用している。使えるものはすべて使い、立ってるものは親でも使い、何とかお役に立てている。
d. もっと多人数の技術者の同時参画も更に効果的かも知れない。仕組みも徐々に向上しつつある。今回ある程度の成果が見えてきた。秩父以外の地域にも、拡大・発展させて行きたい。
8. 自由討議(令和6年6月17日の定時総会での)
① 高齢化が進んでいるのは確かである。GS法人をいつまで続けるか、議論する時になっている。
② 引退し、穏やかに、誰にも迷惑をかけず、静かに死ぬのも悪くはない。多分善人である。
③ 死ぬまで、ジタバタするのも、1つの生き方である。それぞれの選択の問題なのでしょう。
④ 仕事をし、酒を飲み、カラオケを歌い、ヘタレゴルフなど生涯現役を続けるのは、私中村流である。
⑤ 人生100年~120年時代の生き方を、皆で議論したい。企業や地域にお役に立てるのが一番。
⑥ 今まで蓄積した支援のツール類は、現場でこそ使うべきものである。皆で現場へ行こう。