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鴻巣市の休耕田活用によるドジョウ養殖について、その技術的確立と事業化の意義 19-9-24 中村

鴻巣市の休耕田活用によるドジョウ養殖について、その技術的確立と事業化の意義 19-9-24 中村 published on

(一社)技術士さいたま(通称GS法人)は、鴻巣市を中心とした新観光事業を提案しようとしている。その先駆けとしてして、鴻巣市の休耕田を活用した、ドジョウ養殖事業の可能性を見極める事業からスタートする予定である。この事業は鴻巣市の目指す「コウノトリの里づくり事業」や、国の目指すSDGs事業とも合致する部分も多い。

 

Ⅰ. 背景

1. 鴻巣市では市名の由来であるコウノトリをシンボルとし、魅力的な地域づくりを画策している。「コウノトリの里づくり事業」を推進することで、豊かな生態系を整えるなど、環境保護改善を図ろうとしている。

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鴻巣市役所HPより

 

2. コウノトリと共存できる安心・安全な地域づくりは、環境保護のみならず、農業・観光・商工・教育などのまちづくり全体への波及効果や、多面的な地域づくりも狙うことが可能となる。

鴻巣市役所HPより   

本市が実施するコウノトリの里づくり事業のPRや取組に対し、市民の皆様をはじめ、多くの方と連携し「コウノトリの里づくり」を進めていきます。

 

3. 飼育と放鳥が計画され、飼育場の設計も始まる予定であるが、野外で繁殖させ、放鳥事業を継続するためには、水辺の生き物が豊富な餌場の確保が必要である。しかし都市地域にある鴻巣市では、この自然の餌場が現在では大変不足している。これは全国各地のコウノトリ放鳥施設でも、解決できていない大きな課題でもある。

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鴻巣市役所HPより

 

4. 更に鴻巣市も含め、わが国では休耕田の急激な増加が、大きな社会的、経済的問題となっている。

 

5. 上記課題を解決する手段として、GS法人では休耕田を活用し、ドジョウを養殖することを提案したいと考えている。すなわちコウノトリの良好な餌場を確保すると同時に、水辺環境の保護・構築を目指したい。さらに休耕田の活用により、米作に比較して経済的メリットも更に大きくなることが期待される。

 

6. 現在わが国では、休耕田でのドジョウ養殖は技術的問題が原因で、いまだに成功事例がない。技術者集団であるGS法人としては、まずは技術的課題解決からスタートしたいと考えている。

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埼玉県水産研究所HPより 埼玉に生息している魚 ドジョウ

 

Ⅱ. 事業の目的

1. コウノトリの代表的なエサの1つは「ドジョウ」である。しかし我が国では農薬などの影響で、日本古来のドジョウが激減しており、90%以上は中国などからの輸入に頼っている。しかし中国産のドジョウの1部には奇形のものもあり、安全・安心の観点からも、国産ドジョウの養殖が期待されている。

 

2. 一方わが国では、休耕田が毎年大きな割合で増加しており、休耕田活用によるドジョウ養殖の試みも過去にはあったが、技術的理由により成功事例は無い。コンクリート水槽におけるドジョウ養殖の成功例が、わずかに全国で2か所あるのみである。何も利益を生まない休耕田の増加は、大きな問題にもなっている。

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3. 当事業の目的は、休耕田を活用したドジョウ養殖技術を確立することである。これが可能になれば、「コウノトリの里づくり事業」の実現に向けて大きく貢献できる。また環境保護の観点からも豊かな生態系の実現が期待できる。更に休耕田での養殖が可能になれば、豊かな水をたたえた水辺環境の改善にもつながる。

 

4. 環境保護・改善事業を継続させ、発展させるには、上記ドジョウ養殖事業が、経済的にも報われることが不可欠と考えられる。今回の提案はそのための見極めであり、養殖技術の確立と同時に、休耕田からの売り上げや利益の確保など経済的効果も見極めたいと考えている。

 

Ⅲ. 受益者

1. 「コウノトリの里づくり事業」計画者である鴻巣市にとっても、エサの課題が削減され当初目的達成がより容易となり、主たる受益者となり得る。更に鴻巣市民も安全安心の魅力的な地域実現の一助となり、最大の受益者とも言える。

 

2. 休耕田所有農家は、従来の稲作以上の収益が見込まれることにより、大きな受益者となりうる。

 

3. 技術試験用の休耕田のそばに小学校があるが、ドジョウや飛来するコウノトリなどを身近に観察する機会にもなり、教育的な受益者にもなり得る。これは学校に隣接する休耕田提供農家の大きな願いでもある。

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鴻巣市役所前の、コウノトリモニュメント  鴻巣市役所HPより

 

Ⅳ. 今後の展開

1. 今回の提案は、休耕田におけるドジョウ養殖技術の見極めである。これが可能になれば、実際にドジョウ養殖事業へと発展させる。休耕田所有者である農家が主体となる。

 

2. 事業として成立するかどうかは、生産量と販売数量のマーケティングなど、経済的に成立するかどうかにかかってくる。コウノトリのエサだけではなく、ドジョウ新レシピの開発や、その他周辺の事業環境の開拓も必要である。新たな事業協力者への投げかけも行うことになる。

 

3. 鴻巣市以外の地域との連携による新観光事業の開発も、国の大きな施策であるSDGsを関連付けながら推進したい。ここまで展開を拡張させなければ、鴻巣市の「コウノトリの里づくり事業」の完成に至らないのではないかと考えている。

 

Ⅴ. 参考

1. SDGsの17の目標

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この6つの目標を見ていると、貧困や飢餓、健康や教育、さらには安全な水など開発途上国に対する開発支援に見えます。 では次の7~12を見てみましょう。

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この辺りになると、エネルギーの話、働きがいや経済成長の話も出てくれば、まちづくりの話まで出てきて、「おやおや。開発途上国の話ではないぞ。我々先進国にも関係ある話だな」というように見えてきます。

さらに、13~17を見てみましょう。

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ここの辺りまで来ると、気候変動の話、海の話や陸の話まで出てくるので、開発途上国や先進国だけの話ではなく、もっと包括的な話になってきます。

SDGsが世界でこれだけの広がりを見せているのは、開発途上国だけではなく先進国も、働きがいや経済成長までも踏まえたものだからだと言えるでしょう。

 

2. SDGsアクションプラン2019 

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出典:官邸HPより

 

3. 鴻巣市HPより

鴻巣市コウノトリの里づくり基本計画
鴻巣市コウノトリの里づくり基本計画 (PDF:13.2MB)

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人にも生きものにもやさしいコウノトリの里 こうのす(パンフレット) (PDF:6.9MB)

鴻巣市コウノトリの里づくり基金を設置

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