1. 展示会(農業Week)の参観を考えている。休耕田活用の背景を知ることが目的である。

2. なぜならGS法人の最近時の活動で、「休耕田におけるドジョウ養殖」の事業化に取り組もうとしているから。

以下は、そのための補助金申請書からの抜粋である。


GS法人の活動概要

① 埼玉県内の中小企業などの発展支援。

② 新事業・新技術・新商品等の開発支援がメイン。

③ 技術だけでなく、様々な領域の専門家が、案件ごとに複数で最適なチーム編成を行う。

④ 現場・現物・現実の3現主義で結果を出す。

⑤ 当団体は個々の専門家と案件ごとに契約し、外部委託費を支払う。

⑥ 当団体の運営管理は、会員の無給奉仕である。

⑦ 「一般社団法人技術士さいたま(略称GS法人)定款」より、(目的)項目の抜粋

     第3条 当法人は、当該地域の経済的発展に寄与すべく、次の事項を実施する。

      (1) 中小企業などに対する技術・経営の支援

      (2) 中小企業支援のための産学官連携

      (3) 新技術・新商品の開拓と事業化

      (4) その他、当法人が目的を達成するための必要な事業

⑧ GS法人は、技術士だけではなく、大手企業OBを中心に、様々な支援専門家が所属している。支援対象企業などの案件ごとに、最適な組み合わせで支援プロジェクトを構成する。

⑨ GS法人では「継続的な新技術開発、新商品開発、新事業開発」を主体に推進している。これを「世界へ、継続的に発信すべき」と考えている。様々な経験のある専門家が、企業や団体の案件の特性に応じて、現場で推進支援する。現在は大学、研究所、支援団体、力のある企業、公的機関などとの協力・連携で実施している。

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事業名称:休耕田を活用した、日本古来のドジョウの養殖事業に対する、技術的見極め実験

意義・目的

①  休耕田が増加しており、その有効活用を目的とする。

② 鴻巣市ではコウノトリを育成・放鳥する計画があるので、エサとしてドジョウを提案している。

③ 平成17年度東京市場のドジョウ扱い高は6.9トンであるが、95%以上は中国などからの輸入であり、高価でもある。国産ドジョウは農薬などで激減しており、市場に出にくい。またドジョウの養殖は技術的に難しく成功例が大変少ない。休耕田によるドジョウの養殖技術が確立されると、むしろ米作よりも売り上げ増のメリットがあることも期待される。

④ また養殖業者から鴻巣市へコウノトリの餌として直販できれば、両者にとってメリットがある。

⑤ また我が国古来のドジョウの復活にもつながる。

⑥ ドジョウの栄養価はむしろ、うなぎを上回り、健康食レシピを開発して、地元の名産とすることも期待できる。

⑦ テスト用休耕田の近所には小学校もあり、ドジョウ養殖の実態を1つの文化として子供たちに間近に体験させることも意義がある。

⑧ 農林水産省の資料によると、わが国の農地面積は年々減少しており、耕作放棄地など荒廃化が進んでいる。農業従事者の高齢化など様々な要因があるが、農業収入の減少も大きく影響している。大規模機械化がやりにくい狭い農地が特に影響を受けやすいとも言われている。よって自然環境の悪化の1つの要因でもある。

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⑨ 私たち(一社)技術士さいたま(通称GS法人)は、様々な課題を技術的に解決することを主体とした専門家集団である。技術士とは、製造業や建設業など21部門の国家資格による専門家集団であるが、農業部門も含まれている。

⑩ 現在「NPO法人鴻巣市コウノトリを育む会」の活動支援を行っているが、周辺の休耕田の増加など、農業問題との関連も考慮して、本テーマを考えるに至った。鴻巣市役所を訪問したり、鴻巣市長とも接触し、更に埼玉県水産研究所や、近隣農家、淡水魚養殖業者を訪問し、議論しながら構想を練り、計画書を作成してきた。先ず技術的に課題解決が可能かどうかが大きなポイントになる。今回はまず実験計画から開始する計画を優先した。様々な協力団体などからも成功の結果を期待されている。結果が出れば、次に本格的な事業計画に進みたいと、関係者全員で期待し合意している。

⑪ 鴻巣市ではコウノトリを育成・放鳥する計画があり、現在その設計段階に入っている。しかしエサとして最適なドジョウをどうするかの計画にはまだ至っていない。

⑫ 今回の機会に私たちもドジョウについて実状を調査したが、結構市場があることが判明した。しかし95%以上は中国などからの輸入であり、高価でもある。国産ドジョウは農薬などで激減しており、市場に出にくい。

⑬ 水産研究所によると、ドジョウの養殖は技術的に難しく成功例が大変少ない。休耕田によるドジョウの養殖技術が確立されると、むしろ米作よりも売り上げ増のメリットがあることが期待される。休耕田や農業の復興につながることが期待できる。

⑭ 我が国古来のドジョウは現在減少の一途をたどっているが、養殖技術の確立により、天然資源としてその復活にも繋がってくる。

⑮ さらにドジョウの栄養価は、うなぎをも上回っているとのこと。健康ブームである現代では、美味しい健康食レシピが開発できれば、地元の名産とすることも期待できる。地域の活性化にもつなげられる。

⑯  また今回のテスト用休耕田の近所には小学校があり、本休耕田の管理者は子供たちを元気づけるなど地域の活性化にも大変努力されている。ドジョウ養殖の実態を1つの文化として、子供たちに間近に体験させることも有意義と言われた。現在鴻巣市にも時々コウノトリが飛来しているが、この休耕田にも訪問してくれれば、大変楽しい経験にもなる。次世代にもつなげられる。

現状の課題

① 休耕田でのドジョウ養殖技術成功例がゼロであり、参考指標がない。

② 大分県・新潟県で行っているコンクリート水槽における露地養殖を、とりあえずの比較実例とする。これの養殖密度は200g/m2で、生育期間は1.0~1.5年で成魚を出荷している。ドジョウは水の汚れを嫌うため、地下水をくみ上げ、頻繁に水の入れ替えを行っている。

③ 休耕水田でのドジョウ養殖の失敗原因は、先ずドジョウは鰓と腸の呼吸を行うため、大雨で池から飛び出してしまうことである。ほとんどいなくなるとも言われている。

④ 更にヤゴ等の水生昆虫によって捕食され、残された稚魚の生存率が更に低くなり、現在では休耕田での養殖は行われていない。(埼玉県水産研究所での聞き取り調査)

⑤ コンクリート水槽における路地養殖でも、大量の給餌と排泄物による水の汚れの問題がある。養殖場所での大量の水の入れ替えなど、汚染物質の処理等による高コスト化の課題が残されているのが実情である。


以上が、補助金申請書からの抜粋である。(順不同、重複あり。)

3. 今後の解決策へ

上記の実状を踏まえ、先ず特殊な養殖方法を考案した(詳細説明は省略)。技術士の得意領域である、技術的解決策である。この技術的可能性を立証することが、今回の補助金事業の目的である。

4. 農業の発展

これから日本がさらに繁栄・発展していくためには、農業活性化(休耕田活用)は欠かせない課題である。今回の補助金申請をきっかけに農業の現状を知り、今後の改善・改革に資するためにも、GS法人会員の本展示会への出席を期待したい。

以上

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2019-10・9(水)~10.11(金)10:00~18:00 幕張メッセ

https://www.agriexpo-tokyo.jp/ja-jp.html