鴻巣市 落合日本庭園のビジネス化について、今後の方向性への提言である   中村憲雄 18-10-2

18-9-18に落合日本庭園を保存する会が催された。発起人代表は当園管理者の一ノ瀬勲夫氏である。オーナーの落合祐子氏、BMC研の3名の他、5名が出席した。

議題は、現状は当庭園の維持管理が困難であり、自治体からの支援を要請したいが。ということであった。色々な意見が活発に出された。以下は私中村の個人的提言である。

 

1.ビジネス化構想

① 自治体の支援金は税金である。税金が支給されるには、ビジネスとして成立し有効活用される計画書が必要である。鴻巣市にもメリットが還元される提案が必要である。

 

② 当庭園単独では経済的にお金が回る事業とすることは困難かも知れない。しかし事業化のための自助努力と、その具体的構想が必要である。

 

③ 鴻巣市内には、あまり知られていないが良い観光資源が沢山ある。当園もその一つとして位置づけ、当市の観光事業化を構想し計画化すること。

 

④ 行田市の忍城や古墳群など近隣の良い観光資源とのコラボもあっても良い。要は当園単独での事業化構想と、鴻巣市を含めた近隣全体の、次元のワンランク高い観光事業化を提案する。これが成立しそうであれば、自治体は乗ってきやすい。当園にも支援金が回ってきやすい。

 

⑤ BMC研ではコウノトリNPO法人を中心に、観光事業としての可能性を追求しようとしている。これもコウノトリだけではビジネス化は難しいと考え、上記③項の考え方すなわち周辺の観光資源を上手にコラボしたビジネスとしての観光事業を構想し、コウノトリはその1つの観光事例とする案であった。

 

⑥ 落合日本庭園も類似の構想として検討する形となる。②項のように単独でもビジネスとして成立させる案を構築すること。現状施設の改造と活用案が必要になる。

 

2. 落合日本庭園のビジネス化案

① 一般的伝統的日本庭園を追従するのではない。美しい日本庭園風ビオトープ庭園に特化する。大名屋敷や昔の豪商の伝統ある大規模日本庭園などとの競争を考えると、勝負は難しいと考える。

② 池の活用を第1に考える。

a. 現状は珍しい様々な種類のトンボや蝶が生息している。ビオトープとしての改善強化は可能な土台がある。ホタルの養殖も考えられる。錦鯉などは考えない。

b. 上、中、下の3段階の高さに分ける案もある。

c. 上の池はホタルを養殖する。

d. 中の池は、ヤゴなど一般水生生物の生息。

e. 下の池は、コウノトリのエサになるドジョウを放つ。

f. ビオトープは都内ではビル屋上に増加しつつある。銀座シックスの屋上にも都民の憩いの場の庭がある。これを鴻巣市内にも、当園を始めあちらこちらに設けコウノトリを呼ぶ環境を整備する。

g. 木や草の緑は、CO2を吸収しO2を排出する。国や県では大規模工場を中心にCO2削減規制を強化しているが緑を増やすことはその流れに乗ることになる。良い環境づくりが当園の強みとする。

 

③ コウノトリ用の人工巣塔を当園に作る。営巣を狙う。現に鴻巣市にも飛来が確認されている。過去に当庭園にアオサギも飛来したとか。当園にドジョウなど動物性のエサがあることを知らしめれば、必ず飛来する。そのノウハウは川島さんとのコラボにより、検討する。

 

④ 「健康づくり」も当園の特徴とする。治療より、積極的健康増進である。

a. 健康に良いハーブを活用した、ハーブティパーティ。ハーブは庭に植える。ハーブクラブを作る。

b. 健康に良いアロマを活用したアロマパーティ。昔公家の間で流行した「香道」の現代版である。鳥取医科大学の認知症専門医の論文では、ある種のアロマの香りは、認知症の改善に効くとか。現在では認知症の進行を抑える薬がある程度。嗅覚は脳の奥に作用し、認知症治療に効果があるという。こことのコラボも有りかも知れない。

c. バイオレットライトの庭園照明による、近視防止効果の活用。慶大医学部眼科教室によれば、可視光線と紫外線の境界にあるバイオレットの近視防止効果を発表している。こことのコラボもあるかも。

d. バイオレットライトはブラックライトとも呼ばれ、ブラックライト投光器として市販されているが、通常の光と違い幻想的な光景が出現する。ブラックライトは偽札の見分けにも使われているが、通常は見えにくいものも可視化できる。不思議な幻想効果がある夜間照明器に活用したい。

e. LEDの種類は、白色光、バイオレットライト、赤色系など様々市販されている。ここでは白色光のLEDをベースに、バイオレットライト赤色系などのLEDを1つの基盤にレイアウトし、各々の光の強度を調整できる設計にしても良い。照明の色調が変わるのと同時に、特に体に影響があるバイオレットライトを、夜遅くには弱める必要を考慮したい。

f. 近頃は紫外線の悪影響を防止する目的で、UVカットが増えてきた。その為に世界的に子供の近視が激増している副作用が認められつつある。この対応にもなると考えられる。

g. 当園のオーナーは薬局を所有しており漢方など東洋医学にも明るいとか。更に医者と薬剤師のご子息が居られるとか。家族を上げて「健康づくり」ビジネスに協力できる土台がある。

 

⑤ 現在の母屋を3~4階建ての陸屋根のビルに改造する。

a. 屋上をビオトープにするか、ドジョウの養殖に使用できるスペースを確保する。コウノトリは毎日大量の動物性のエサが必要になる。ドジョウの養殖方法を調査する必要がある。

b. オーナーの住居は最上階にして、下位の階は軽食レストランや休憩所など、ビジネスに活用する。当園のビジネス化成功を最優先に考える。

c. 隣にある消防署の建物屋上の活用や、市の駐車場活用の交渉が必要である。その為にはビジネスとして成功する計画書を作成し、説明できることが重要である。

 

3. その他

① 適正な顧客数と顧客層の想定。

a. 単なる見学用ではなく、駅から徒歩10分以内の地の利を生かし、誰でも来やすいのんびりとくつろげる庭園に特化する。将来的には、海外観光客も期待する。

b. 従って、軽食用のレストランスペースを備えたい。現状の母屋を立て替え、例えば3階建てにして最上階を落合一家の住居とし、1,2階はビジネススペースとする。ビジネスとして成立することを最優先に考える。顧客スペースからの眺望を考える。

c. 彫刻教室、俳句教室、香道教室などの開校を構想し、可能なものから実現を図る。自助努力で。

 

② 自治体に提案し、自治体事業に組み込んでもらう方法を模索する。

a. BMC研究会内部での意思統一。NPO法人への説明と理解してもらう。市役所への説明と提案。ボトムアップ的方法である。

b. 計画書を県庁や上田知事へ説明に行く。トップダウン的方法も併せて実行する。

 

③ 平成31年1月30日(水)~31日(木)のビジネスアリーナで、広くPRする。

 

④ BMC研究会は、企業支援専門家集団である。ビジネスとして発展する道を構想し、提案し、黒子として支援する組織である。この度の集まりを縁としてお役に立てればと考えている。

以上