「技術士の視点・提言 180927」一般社団法人 技術士さいたま 代表理事中村憲雄

1. 落合日本庭園訪問

18-7-26に鴻巣市 落合日本庭園(鴻巣市東2-1-1)を訪問した。

同行者はBMC(ビジネスモデルキャンバス)研究会の小西洋三リーダーと川島秀男会員及び中村の3人。オーナーの落合祐子氏と管理者の一ノ瀬勲夫氏に当庭園のご紹介を頂いた。詳細は過去の別記による。

2.庭園の今後について考える会

18-9-18に当庭園の今後について考える会が催された。発起人代表は一ノ瀬勲夫氏である。オーナーの落合祐子氏、BMC研の3名の他、5名が出席した。

3.議題:支援を要請

議題は、現状は当庭園の維持管理が困難であり、自治体からの支援を要請したいが。ということであった。色々な意見が活発に出された。以下は私の個人的意見である。

4. 中村案

① 支援は税金であり、それなりの理由が必要である。自治体へメリットが還元される提案であるべき。

② 当庭園単独では経済的に回る事業とすることは困難かも知れない。しかしビジネスとして成立させる自助努力やその構想が必要と考える。自治体への丸投げや自治体案への期待が主体では寂しい。

③ 鴻巣市内には、あまり世の中に知られていないが良い観光資源が沢山ある。また行田市の忍城や古墳群など近隣にも良い観光資源がある。

④ 現状では観光ビジネスとして効果は十分とは言えない。

⑤ BMC研ではコウノトリNPO法人を中心に観光事業としての可能性を追求しようとしている。これもコウノトリだけではビジネス化は難しいと考え、上記③項の考え方すなわち周辺の観光資源を上手にコラボしたビジネスとしての観光事業を構想し、コウノトリはその1つの観光事例とする案である。

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鴻巣市役所に展示しているコウノトリのはく製

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鴻巣市役所のコウノトリキャラクター

⑥ 落合日本庭園も同様の構想の中で検討する案でどうか。②項のように単独でもビジネスとして成立さ現状施設の改造と活用案

⑦ せる努力と、周辺観光資源とのコラボによる観光事業化の提案である。

⑧ まず落合日本庭園の現在の資源の強みを十分活用させること。強みを再認識すること。

⑨ その上で、とりあえず鴻巣市の観光資源活用した、観光事業化構想をまとめ、自治体に提案する。

5. 叩き台:観光ビジネス案

落合日本庭園の観光ビジネス案(叩き台)

① 日本庭園式ビオトープ庭園をメインにする。

a. 大名屋敷や昔の豪商の伝統ある大規模日本庭園などとの競争を考えると、勝負は難しい。

b. 現状は様々な種類のトンボや蝶が生息している。ビオトープとしての強化は可能な土台がある。ホタルの養殖も考えられる。

c. コウノトリ用の人工巣塔を作れば、営巣の可能性もある。現に鴻巣市にも飛来が確認されている。過去に当庭園にアオサギも飛来したとか。現状の池をエサが豊富にあるように改良すれば、コウノトリも飛来する可能性がある。そうなれば知名度は上がる。

d. 庭にハーブや薬草を植える。漢方の知識がある薬剤師とのコラボで、特徴ある健康飲料の提供が可能になる。同好の士を集めてチーム活動へ発展させても良い。

② 適正な顧客数と顧客層の想定。現状施設の改造と活用案。

a. 単なる見学用ではなく、駅から徒歩10分以内の地の利を生かし、誰でも来やすいのんびりとくつろげる庭園に特化する。将来的には、海外観光客も期待する。

b. 従って、軽食用のレストランスペースを備えたい。現状の母屋を立て替え、例えば3階建てにして最上階を落合一家の住居とし、1,2階はビジネススペースとする。ビジネスとして成立することを最優先に考える。顧客スペースからの眺望を考える。

c. 彫刻教室、俳句教室などの開校を構想し、可能なものから実現を図る。

6. BMC研究会の今後

BMC研究会は、企業支援専門家集団である。ビジネスとして発展する道を構想し、提案し、黒子として支援する組織である。この度の集まりを縁としてお役に立てればと考えている。